2005/09/16

にくだん

最近、ビートたけしが鼻につくわ。

そりゃいいとして、こないだ隣県出身の友人と話してて子供のときにやった遊びの話になって。
はっきりルールまで思い出せるったらやっぱ、高学年の頃の遊びなんだけど、アタイらの学校で昼休憩にバカみたいにやってた遊びのひとつ「にくだん」のルールを話すと「ええ?それ『にくどん』じゃん?」って言われて、ぎゃはっはナニ『にくどん』って。肉丼?にくどんぶり?あのねー、『にくだん』はね、今思えば『肉弾』だったのかもって思うのよ、それくらい、殺伐としたゲームなのよ、戦闘的なのよ、殺傷目当てなのよ!と訴えてはみたものの、昔「週刊欽曜日」という番組で当県出身の風見慎吾が「ろくむしで遊んでた」と発言して、出演者からも観客からもハア?な反応を受けていたので驚いたのを思い出し、まさかとは思うが念のためグローバルな呼び方を確認しておこう、とワールドワイドウェブにて検索してみたところ、『にくどん』に軍配。
えー!にくどんて!にくどん?なんじゃそら!

『にくどん』も別に全国共通の呼び方ではないらしい。というか、あの遊び自体に正式名称はないかもしれない。
いろいろ見てみると『ひまわり』という、およそあの遊び方にそぐわない呼び方がポピュラーぽかった。
ひまわりルールはこちら
校庭にズックをひきずりながら描くあの図形をなぞらえた名前のようなんだが、違うね!そんな牧歌的な名前じゃ追っつかないねあのゲームはっ。

『ひまわり』のコートでは内側の線が丸くなってるが、『にくだん』は内側も外側もにょろにょろで、いろいろ食い過ぎのヘビのような感じと思っていただければよろしい。ひまわりと同じ、細いところもあれば、太いところもある道である。道の加減は、線をひくリーダー格の子供たちの匙加減ひとつだが、「それじゃだれも通れんわ!」と怒られたり、その言い方でケンカになったりと、出だしからなかなか殺伐とする。さてその道を一周させたら、道の中を攻撃側のチームが走り、確か誰かひとりが6周(リンク先では5周になってるが)回ればセット。もっかい攻撃チームとして再戦できる。
一方の守備チームは道の内側をエリアとし、セットを回避するために道を走る攻撃側の人間を押し、あるいは引っぱり、道外に出す。出された奴はアウトで道の外で待ってなきゃいけない。ちなみに守備側も、道の中に入ってしまうとアウトなので、むやみに手を出すと引っ張り込まれることもある。気の抜けないゲームだ!

ところで当然、道の細いところでは守備チームの人員が集中し、蟻の子一匹通さない勢いで待ち構える。そんなとき攻撃チームは手前の安全地帯で動けずにかたまっている。安全地帯だからと言ってここでも油断はできない。気を抜いて少しでも内側に近づこうものなら、守備チームの手の長いやつに腕や袖をひっつかまれ内側に引きずり込まれるからだ(このときよくひっかかれる)。で、いつまでもかたまってるわけにもいかないから誰かが飛び出す。もちろんむざむざ死ぬつもりなんではなく、猛スピードで走り抜けてやり過ごそうとするのだ。
猛スピードで走ってると少々押されたくらいでも大きくバランスを崩し、下手をすれば顔からスッ転ぶのだが、それでもなんとかこらえて通り抜けられることはあった。ただその姿はものすごくカッコ悪い。上半身は押されて傾いてるのに下半身のしかも爪先で道を踏み外さないよう、あるいは腕をクロールのようにブン回したりして必死にバランスを取りつつ走るのだ。百年の恋も冷める。
だいたい目立ちたがりか、ジッとしてるのが我慢できないイラチがやってくれる。同時に彼は囮、生け贄でもあり、彼に守備側が集中しているスキに何人かが通過できるので、有り難い存在でもある。

と、このようにルールを見ただけでも、どっちが攻撃だか書いてる方もわからなくなる、まさに肉弾戦。
肉をドン!どころじゃないでしょ?ね?
こんなゲームなので怪我も鼻血もままあるのだが、もっと怖いのはこれは戦争ではなく、お遊びだということを、子供はすぐに見失ってしまうことだ。もーヒドい押し方をしてくるんである。押されたあとに怪我するんじゃなくて押されたと同時に突き指・打撲なんてことも白熱してくるとあったりする。くりかえすが、これは戦争ではない。やってるのはみんなクラスメートだ。だからゲームが終わったあとのことも考えておかないといけないのに、容赦ないんだコレが。で遺恨を残してしまうことがしばしばあり、とくに女子同士は何日かひきずるくらい強烈だったりする。女子に押されてそれが痛かったりするとほんっとムカつくのだ!それが普段仲良くしてる友達だったりなんかするともう、絶交!!!!と叫びたくなるくらいだ。引っ張るんならまだ愛がある。でも押すことはないじゃないの!すごいカッコ悪い出方しちゃったじゃないの!!!雰囲気は日に日に殺気立つ。
こういう精神戦も乗り越えてこそ、得られる勝利。道の中を走る側になるために!
…おわかりのように、なんか得たくなくなってくる。だからなんとなくやらなくなっちゃったのかもしれない。

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