2008/04/22

並ばない勇気を選んだ

みなさまご存知のとおり、先日、光市母子殺人事件の差し戻し控訴審の判決言渡しが広島高裁であったので、アタイは傍聴券を求め朝もはよから並ぶ予定だったが、家を出る前にすでに千人以上が並んでいるとニュースで見て、やめたやめた。なんぼなんでも。しかも傍聴席26って。
数百人くらいかなあと考えてたので大甘ちゃんであった。みんな忘れてるだろうと思ってたのに、何日か前からテレビで騒ぎだしたから、シーッ!シーッ!!!ってな気持ちであった。結局、新聞発表によると傍聴希望者3800人以上だったそうで、当たった人は被告の外道面を見るためにこの世の運を使い果たしたであろうと嫉妬してみたり。

いままでこいつの裁判では憤ることばかりだったので、今回はようやく胸がすく思いであった。
最後は死神弁護団のおかげで、被告の性根が見えたというものだった。馬脚を4本も10本も現しやがった。
救いようのないほど捻り曲がった自己愛と命根性の汚さに、静かな怒りをにじませ、断罪した判決文。クールである。
退廷する際の表情は達観しているようだったというが、即時上告したあたり、よくわかっちゃいないに決まっている。
とっとと確定して、死ぬまで命乞いさせてやるがよいと思う。

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2008/04/11

逃げろーーーーお!

久々のNHK教育ヒット作、月〜金の朝7時「シャキーン!」のおかげで、最近いわゆるトップニュースをチェックできておりません。

ホームビデオ風な撮影方法による、当事者視点のパニック映画と聞いて、まんまとアタイ好みの映画を作りやがったなコノヤローというわけで、事前情報はできるだけシャットアウトし、期待度「大」で行ってまいりました「クローバー・フィールド」。
まんまと期待に応えてくれやがりました。ブラーボハラーショ。

自分がネットの感想なんかからは必死に目をそむけていたのでネタバレだけはやっちゃいけねーと思いますが、どうやら何のせいでああなってるか知ってて観る人も多いんでしょうか。
でも一応、ネタバレ部分は字を黒くしているので、読んでもOKな人は反転して読んでください。

(ネタバレ→)ブレアウィッチみたいに、なかなかその正体がわからない作りなんだと思いこんでたので、上記のように予告編の情報しか持たずに臨んだらば。
ところがどっこらしょ。開始15分くらいで、謎の巨大生物として姿を垣間見せてくれる。
早い早い!早いよアンタ!アタイはエイリアンは2より1が好きなんだよ!
が、演出の巧みさと出演者の迫真の演技が、アタイを救うのだ。


視点が主観であることが徹底されているので、アレが何なのか、どうしてこんなことになったのか、情報がホント入って来ない。
すると、そんなことは命が危ない状況では後回しなのだということを体感できる。
カメラマン役の男が、アレなんなんだろ、と自分の考えを友人たちに言うのだが、友人らは曖昧に流す。
そんなことより、いまアレがどこにいるのか、自分からどのくらい離れているのか、どうすれば近寄らず目的地まで進めるのかで、登場人物同様、観客も頭はいっぱいになっているのだ!

この映画の序盤で、誰もがどうしても9.11を思い出すと思うんだが、あの事件で2番目に倒壊したビルを撮っていたカメラマンは、もうちょっと粘れよ!ってつっこんだくらい、見切りも逃げ足も速かった。
あれを思うと、この映画のカメラマンはド根性がド座っているというか、ギリギリになるまで先を読めない大バカということになるので、ちゃんと愚鈍な男として彼は描かれている。ここも上手い。明らかな極限状態にも、カメラを手から離さず、絶叫しながらもちゃんと我が目と同じ目線になるように構えていてもあんまり不自然じゃないのだ。だってバカなんだから。

(ネタバレ→)記録済みのテープに上書き撮りしているという設定で、ときどき一カ月前の平穏で幸せな日々のようすがカットの合間などに現れるのが悲しい。上手い。
軍が間もなく怪獣ごと街を殲滅するつもりでいることを聞いても、変なヒューマニズムを持ち出さないところもリアルだ。あまりの、あまりの惨状に、もうそうするしかないよねって思っちゃうのだ。


途中でテープがなくならないだろうか、とか、バッテリーはもつだろうか、とか、さすがにそろそろビデオカメラを手放すのではないだろうかとか、映画である以上ありえないことを心配しだしたら、上手くこの映画に乗っかれた証拠である。あちこちに警告してある通り、手ブレは相当覚悟しなければならないが、偶然撮られた貴重なテープをノーカットで見ているのだ、と思い込んで、めいっぱい我慢していただきたい。「アトラクションタイプの映画」などと言われると興醒めするが、乗れないことにはこの映画は話にならないのだ。

わがままを言えば、(ネタバレ→)もう少し主要出演者の容姿レベルを下げてほしかった。よりリアルになると思うのだ。その点、ブレアウィッチは不細工揃いで(略) もうひとつ、ヤツの不吉な気配をもちょっと前、せめて数時間前くらいから「?」くらいの程度でジワジワ感じさせてくれると嬉しかったなあ。
音響も非常に効果的なので、映画館で観るのももちろんいいけれど、ホームビデオのテープの設定なので家庭のテレビで見るのもホンモノっぽくていいかもしれん。DVDの発売が楽しみだ。

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